1年前のこの日。

想像もしていなかった激動の出産劇を終え、J君が産まれてきてくれました。

夫や実母が残してくれていた記録と共にゆっくり振り返り、出産レポを書いていきたいと思います。

長くなると思いますが、お付き合いください。

出産方法の決定

妊娠経過の記事でも書きましたが、26wの検診の際に児頭が大きい為、帝王切開になる可能性があると言われていました。

そして38wの検診に行くと、数週間前から告げられていたようにやはり児頭が大きいので出てこられなくなる前に誘発(薬を使って陣痛を起こすこと)をして出産を促してあげましょう、との事で翌週の”私の誕生日”に出産入院予定となりました。

入院日までに自然陣痛が来ないかと今まで以上に運動をしましたが、微弱陣痛しかこず予定通り入院日に。

入院準備に便利な持ち物チェックリストはこちら↓

出産入院持ち物チェックリスト|あると便利ものや必要なかったものも紹介! | Ayaka Blog

出産入院1日目

13:00

入院受付を済ませ、早速いつもの検診のようにNSTを付けます。

入院する前までずっと緊張していたのですが、入院後はやっとこの日がきたとなぜかやる気満々。

遅くとも明後日には、お腹の中でもぞもぞ動いているベビーが隣にいるのかと思うととても楽しみで不思議な感覚でした。

その後はNST異常なしとのことで、処置の前に早めのシャワー浴びて夫と実母とのんびり。

17:00 ~ラミナリア挿入~

明日の誘発に備え徐々に子宮口を開いていく処置

ラミナリアというコンブの茎根を原料としたスティック状のものを子宮頸管に入れ、それが体内の水分を吸収し膨張していくことで子宮頸管が拡張されていくのを待ちます。

この処置、とっても痛いという人もいれば、全くという人もいるようでドキドキでしたが、私は後者でそこまで痛いとは感じず、何かが詰め込まれていく圧迫感を感じる程度でした。

この時点で子宮口は2cm、分娩が始まるのは子宮口が10cm開いてからなのでまだまだなのですが、少しでも広がっていたことがとても嬉しかったです。

18:00

処置後、病室に戻って再度NSTを付けてベビーの心音と張りのチェック。

ベビーが少し頻脈で、原因は水分不足か暑いとの事で食塩水を点滴しました。

この後は夜ご飯を食べて明日に備え早めの就寝。

のはずが、遠足前夜のような気持ちのたかぶりとたまにやってくる張りで何度か目が覚めてしまいました。

出産入院2日目

6:00

起床。

誘発は陣痛室で行うので、陣痛室へ移動準備

現在のお部屋も確保され続けるのですが、私は産後まで帰ってくることがないため必要なものを持っていきます。

7:30 ~バルーン挿入~

早速、陣痛室へ移動します。

移動後、再度誘発に向けて子宮頸管を広げる処置。

今回はバルーンと呼ばれるもので、その名の通り風船のようなものを入れ、そこに少しずつ無菌水を注入してバルーンを大きくしていきます。

こちらの処置も圧迫されていく感覚はあったものの、耐え切れないほど痛いようなものではありませんでした。

子宮口は3cm

前日と比べ、1cmだけでも開いたことがとても嬉しくて、この後もスムーズに進むだろうという自信と意気込みでいっぱいでした。

8:30 ~誘発開始~

ついに誘発開始。

段々と薬剤の投与量を増やし、陣痛を強くしていきます。

まず10mlからスタートし、30分毎に10ml増やしていき、最大で120mlまでいくのだそう。

朝食を食べながら、自宅にいる夫と実母に連絡。

病院から自宅は徒歩5分ほどの距離なので、まだすぐに強い痛みはこないだろうと9時頃に来院してもらうことに。

9:30

あっという間に点滴が30mlに。

張りが来ている時は痛いですが、まだ呼吸法で逃せるレベルで、この時はまだ友人や実家の家族と連絡も取れるほど余裕がありました。

10:15

2、3時間おきに先生が内診に来てくれます。

子宮口3cmのまま。

朝と変わっていないことに少し驚きとショックを受けつつも、初産だからこんなものと自分に言い聞かせます。

まだ耐えきれないような痛みではないものの、陣痛が来ている時は呼吸法にしか集中できないようになってきました。

12:00

投与量100mlで、やっと子宮口4cm

30分毎に投与量を上げに来る助産師さんが悪魔に見えてきました…

痛みはかなり強くなり、じっと座っていることもできずに座り方を変えたり横を向いてみたり。

陣痛が来ている間は、呼吸法をしながらひたすらベッドの柵をギュッと握り締め、ずっと母と夫が交代で腰を摩ってくれ、それが痛みを和らげてくれました。

13:00

この頃には薬剤投与量はマックスの120mlに。

もう陣痛がやってくるのが怖くて怖くて、お腹の張りを表すグラフモニターが陣痛が来る度に上がってくると「あ、次の陣痛が来る…来る…」とモニターを見つめて怯えていました。

見兼ねた母がモニターが見えないように少し向きを変えてくれ、お腹の中のベビーの事を考えてあげなさい、と。

それから陣痛の間にはベビーのことを考えたり、夫と義母が話しかけてくれたりと気をそらすようにしてみると時間が経つのも先ほどより早く感じました。

13:30

診察の時間。

子宮口4cmのまま…本当に泣きたかった…

薬剤は効いているのに、なかなか進まないので少し刺激しますと先生。

陣痛が来たタイミングで、大丈夫なのかと思うほど強めにグリグリをされ、もうどこが痛いのかもわかりません。

14:30 ~人工破水~

この時点でもまだ子宮口4cm

薬も効いて陣痛もきている、あれほど強めの刺激も効果がないということで、どうにかお産を進める為にも人工的に破水をさせることに。

先生が「いきますよ。」と言ったタイミングで”プチンッ”と何かが途切れたような感覚がして、生温かい羊水がこれでもかと流れ出てきました。

15:00

破水させてから少し経つと陣痛の痛みが変わり、前よりも鋭いような痛みになってきました。

あまりの痛みに今までのように呼吸法だけでは痛みが逃せず、声も出てしまうように…

そして痛みのせいかトイレに頻繁に行きたくなるのですが、数メートル先のトイレに歩くのも一苦労。

陣痛が来ている間は立っていることも難しいので、陣痛の合間を見計らって立ち上がり、トイレの中で陣痛を一回耐え、終わったらすぐさまベッドに戻るということを繰り返しました。

16:00

先生の診察。

子宮口4cmのまま…

先生はこのまま続けると子宮が疲れてしまうので、一度休憩して明日の朝再スタートしましょうとの事で本日の誘発終了

言葉にならない不安と恐怖。

これが明日に続くと思うと気が気ではありません。

そんなどうしようもない不安から、思わず先生に「お願いだから明日は無痛分娩に明日変更させて下さい。」と希望していなかった無痛分娩への変更を頼みましたが、事前に他の先生たちと予約を合わせておく必要があり、明日は予約いっぱいで難しいですとのこと。

「ではいつまでに産まれなかったら帝王切開となるのか」と聞くと、遅くとも明日には結果は出るでしょうとの事で少しだけ安心。

この日の夜は、投与を止めても体内に残っている薬のせいで数時間は結構な痛みがあった事と、明日また始まる誘発の恐怖で中々寝付けませんでした。

出産入院3日目

8:00 ~誘発開始~

誘発開始

昨日の朝の気持ちとは打って変わって、あの痛みがやってくると思うと恐怖で、実母や夫に弱音を吐いてばかりでした。

10:00

この日は薬の効きがとても早く、陣痛の本当の痛みを知ってしまっていたので早くから自分を冷静に保つことも呼吸法も上手くできませんでした。

明日にはお腹の中ではなく腕の中にベビーがいる事を想像して、なんとかパニックにならないよう自分を落ち着けます。

後から母と夫から聞いたのですが、同じく陣痛中のどの人よりも叫んでいたそうです。

12:00

先生の診察。

子宮口4cm強。

診察は、進行具合を確認できる唯一の楽しみなのですが、どれだけ痛みに耐えても変わらない子宮口に絶望…

今日も投与量マックスまで頑張って、それでも変わりなければ帝王切開となる可能性もありますと先生。

帝王切開も大きなリスクを伴うことは十分に理解していましたが、その時は一刻も早く分娩を終えたい気持ちでいっぱいで、終わりが見えた事にやっと気持ちが落ち着きました。

その後助産師さんが陣痛緩和チェアを持ってきてくれ、それに乗りゆらゆらすると痛みが少しだけマシでした。

13:50 ~帝王切開決定~

診察。

子宮口の大きさ変わりなしだったので、ついに帝王切開決定

薬剤を止め、手術の説明や処置が行われ始めました。

もうすぐこの痛みから解放されること、後数時間でベビーに会える事が心の底から嬉しくて、手術への不安は全くありませんでした。

14:50

あっという間に、手術室へ移動

まだ陣痛が残る中、ドラマの中でしか見たことのない手術室に少し興奮。

「麻酔を背中に刺すので少し痛みます。」と言われましたが、陣痛と比べると全く痛くなく、それよりも麻酔を打った後に陣痛がスーっとなくなっていく感覚が不思議でした。

陣痛から解き放たれ、やっと痛みから解放されたんだと感動している間に、手術の挨拶が始まり開腹開始。

意識はあるので、お腹の中を触られている感覚があり少し気持ち悪かったので深呼吸しながら他事を考えていました。

15:30 ~息子誕生~

手術に集中してしまわないようにか、ベビーが生まれるまでの間は横にいた麻酔科の先生がずっと話しかけてくれていました。

産科の先生が「赤ちゃん見えました、やっぱり頭がおっきいですね!」と。

そしてあっという間に「おぎゃーーー」と声が聞こえてきました。

J君誕生。

すぐ助産師さんが私の見えるところまで連れてきてくれました。

私にそっくりな顔にびっくり感動、そして今までの苦しみはこのためだったのかと思うとポロポロと涙が溢れました。

まさに人生で味わたことのない、幸せで穏やかな瞬間でした。

15:45

J君は手術室の外で待つ夫と母のもとに運ばれ、私は閉腹開始。

麻酔科の先生が、「この後はお腹を閉じるだけなので疲れていたら眠れるお薬を入れることもできますがどうですか?」と丁寧に聞いてくれましが、ベビーと初対面を果たし興奮していた私は「いえ、大丈夫です。」と答えました。

が、その後出血が多くなり点滴を入れられたことで、一気に寒くなり身体中がガタガタと震え出しました。

そして血圧も下がり、気分が悪くなり手術中に嘔吐。

困難は続くのですね…

あぁ、あの時薬で眠っておけば…

17:00 ~初めてのツーショット~

やはり出血は多かったようですが無事に手術は終わり、J君、夫、母の待つ病棟へ戻ります。

愛しいJ君との初めての写真。

人生で一番の痛みを味わった今回の入院はJ君が無事産まれてきてくれた事により、最高の時間と変わりました。

この後、傷の回復を待って授乳の練習をし、退院して家で家族3人での生活が始まるんだなぁと思っていましたが、今後の入院でも色々とあったので次回、傷の回復や初めての授乳のことも含め記事に書こうと思います。

妊婦さんの数だけ出産ストーリーがありますが、これが私のストーリーです。

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。